留学生あれこれ H君の場合 |
一口に留学生と言いますけどね、いろんな人がいるわけですよ、やっぱり。中には、「トホホ」な人もいたりします。
留学途中での一時帰国、「ちょっと日本に帰ってくるぜ」と言うとなんだかカッコいいのか、カッコわるいのか良く分かりませんがが、出来ることならしたくない。みなさんなら、そうお思いになることでしょう。もちろん私もそうです。時間もかかるが、金もかかる。飛行機(大○航空)に乗りたくない。またまた入国審査もメンドくさい。まあ、あんまり一時帰国なんてする日本人留学生はめったにいないですよね。
しかし、彼(仮にH君としておこう)は帰って行きました。「サヨナラ」も告げずに。まあ帰国するにはそれなりの理由ってもんがあるわけです。親戚に不幸があったとか、友人の結婚式があるとか、ホームシックになっちゃったとか、家の鍵を閉め忘れたとか、洗濯物を干しっぱなしにしてたとか、ドラクエの発売日だとか、いろいろ理由はあるわけです。
で、H君の場合はと言うと、
痛かったんですね、歯が。ズキズキと来てしまったわけですね、歯が。つまり、「虫歯」だったんです、H君は。
「虫歯」くらいでとお思いの方もいるかもしれませんが、海外での「虫歯」は痛い。もちろん、「歯」も痛い、しかし「ふところ」の方がもっと痛い。だって、保険がきかないんだもーーん。保険がきかないと大変なことになってしまいます。実費ですからねえ。虫歯もかるけりゃ、安く済むんだろうけど、H君は結構、重傷だったようですし。
H君のそんな事情を知った学校の先生も、安い歯医者を探してくれたりしてたんですけど、安いチケットが買えたのか、急に帰国しちゃいました。私に、バスタオルとジーンズを預けて。あまりにも突然だったんでね、同じクラスのElisa(スイス人)なんかは、
「サヨナラモ言ワナイデ、失礼シチャウワ、プンプン」
てな感じで怒ってました。めちゃくちゃ痛かったんだろうなあ。どれくらい痛かったか、今度聞いてみないといけないんだけども、H君が帰国したのは6月頃、で再びBournemouthにその勇姿を見せたのが、9月中旬。
「H君。君はわざわざジメジメした日本で夏を過ごしたんだね。イギリスはクーラーいらずのカラッとした夏だったよ」
「そうそうH君。イギリスの夏は日も長いし、学校帰りのギネスは最高だったよ」
|
|
|